古民家再生ドキュメント(K氏邸)−その1
(その2はこちら/その3はこちら/その4はこちら/その5はこちら) |
工事が始まった古民家。昭和30年代に建てられた住宅です。
|
太い大黒柱、黒光りした梁がある古民家は、多くの都会人にとって憧れの的。でも、補修しないで使えるものはほとんどありません。完成品しか見たことがない人は、どういう状態の建物がどういう風にリフォームされるのか、興味が湧いてくるはず。この地域に移住したKさんの敷地には、住居として利用している建物のほかに、空家になった古民家があります。古民家は作業所と客間として活用する計画があり、当社にリフォームを依頼されました。年内には完成する予定なので、その進行状況をドキュメントで追っていくことにしましょう。
|
間仕切りを取り、畳や床をはがすと、この状態に。まずは傷んだところをすべて撤去します。
|
建物は昭和30年代に建てられたもので、古民家にしては築浅です。まだブロック基礎が使われる前で、おおきな束石の上に柱が載っています。
「この時代の柱は栗材が多く、自然の曲がりを活かしています。大黒柱は9寸角のエンダラ。タラの木に似た樹木で、こんなに太いんですよ。天井には手斧(ちょうな)で削った梁があるので、それを活かした空間にする予定です」と話すのは、棟梁の渡辺さん。
しっかり地固めした上に置かれた束石は昔のままですが、北側には腐って土台から外れた柱もあります。そのため極端に下がっており、このままでは使えません。土壁も状態が悪く、壁を作り直す必要があります。写真ではかなりボロボロに見えますが、古民家にしてはまだ状態がいい方です。きちんと再生工事をすれば、見事によみがえるのです。
|
|
|
北側の柱。腐って土台から外れているものもあります。 |
囲炉裏で黒くなった天井の梁。これがどう活かされるかも見物です。 |
|
工事はまず、建物内部にある畳や床材などをすべてはがすところから始まりました。約30坪の建物なので、廃材だけでもすごい量になります。囲炉裏のあとも2カ所にありますが、土間や板の間にする予定なので、きれいに撤去します。また、壁も落として骨組みだけにします。建物は傾いていますが、骨組みだけになればどこをどう補正すればいいかがわかるようになります。基礎も作り直し、足元を固めていくのです。その様子は、その2でお伝えする予定です。
|
|
「再生すればいい建物になる」と渡辺さん(左)。右は建築を担当している当社専務の吉田一巳。
|
【追加情報】
テラスに使う米松のカンナ仕上げの現場で、おがくずが発生しています。大袋で30袋もあるとか。堆肥やペットの臭い消し、水分吸収などに使えそうです。工務店では自分で運ぶ方にお譲りしたいとのことなので、興味のある方はメールでお問い合わせください。 |
|
|
|