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-あははおほほの田舎暮らしを始めるために-
No.44
2004年10月11日
ボーリング工事のプロセス(後編)---前編はこちら
10年ぶりの強い台風ということで警戒していた22号ですが、意外にあっさり立ち去りました。首都圏では被害が出たようですが、阿武隈山系は台風一過こそないものの、川内村で「OH湯といわなときのこのまつり」が予定通り行われるなど平穏さを取り戻しています。ただ、気になるのは稲刈り。例年になく早く始まったのに、その後の長雨で大幅に遅れているのです。天候が回復すれば稲刈りラッシュになること間違いありませんが、どの家も農機具がほしくなるのは稲作が天候に左右されやすいせいだと実感します。早く秋晴れを期待したいものです。 |
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さて、少し間が空きましたが、今回はボーリング工事の掘削後の仕上げについて説明していきます。掘削によって一定量以上の水量を確認したら、次にケーシング(=揚水管。直径100mmのVP管)を地中に下ろしていきます。VP管とは肉厚の塩ビ管のことですが、ネジを継ぐことで延長できます。その先端には集水するため穴の空いた管(ストレーナー)を設置。ストレーナーが穴底から3〜10mの位置まできたら、配管工事は終了します。土・粘土層の部分のみ管のまわりに砂利を入れていきます。これは揚水管を安定させると同時に、地下水の濾過という役目も果たします。さらに管内を洗浄し、地上では井戸枠でポンプ室を設けます。深井戸用のポンプは、大まかにジェットポンプと水中ポンプの2種類があります。前者は上から圧力を加えることによって上の水を揚水する方法で、水量が多いときはこれで充分。水中ポンプは水中深くに設置して下の水を汲み上げるもので、揚水能力
がアップします。価格はメーカーによりますが、設置費用込みで前者が25万円、後者が30万円から。インバーター付きは電気代の節約になります。 |
井戸仕上げの概略図
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ボーリング全体では、当社の基本的な請負金額は掘削費用1mにつき2万円+ポンプ代。現場によって異なりますが、
標準工事で100万円台の前半(税込・見積りを出して水が出るまで保証する契約方法もありますのでご相談ください)です。井戸は発電機でも動かせますが、通常は建築の電気工事を待ちます。ただ、なかには建築前に水を出したい人もいるので、分電盤を設置する場合もあります。申し込みから40日くらいかかりますが、30アンペアで7〜8万円くらい。もちろん、建築後の電源にもなります。深井戸の地下水が汚れていることはまず考えられませんが、水質検査をする場合はご自分で保健所までお持ちいただくようお願いしています。当社が人件費をかけるとかえって不経済になってしまうからですが、最寄りの相双保健所では色度・濁度・臭気・PH・大腸菌群など基本13項目を調べる検査で1万3290円です。なお、管内洗浄は充分に行いますが、それでも最初のうちは大腸菌が出やすくなります。水質が安定すれば短期間に消えるので、心配は無用です。また、稀に水量が少なくなる現象もありますが、貯水タンクを設置すると安定供給が可能です。その市販品はモーター付きで25万円くらいです。(Y) |
このケーシングをつないで地中に配管します |
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ストレーナーのまわりに砂利を挿入します
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これでボーリング井戸の完成です
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次回は「地元で車の免許を取る方法」というお話
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