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-あははおほほの田舎暮らしを始めるために-
No.43
2004年8月16日
ボーリング工事のプロセス(前編)
会場には「灯まつり」の幻想的な風景も現れました
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去る8月7日、公営のグリーンパーク都路において「都路灯まつり」が開催されました。これは都路に新しいイベントを創ろうと官民の有志によって昨年からスタートしたもので、福島県地域づくりサポート事業の認定を受けています。冷夏で身震いした昨年とは対照的に猛暑と小雨が混じる真夏らしい天候の中、ステージでは和太鼓や舞踊などの郷土芸能、中国の奏者による二胡演奏、屋台ではたこ焼き、焼きトウモロコシ、うなぎの蒲焼きなどのご馳走を堪能しました。 |
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もっとも、このイベントの最大の見どころはタイトル通り、草原に何百と並ぶ灯の風景。竹筒のロウソクに点火したものですが、陽が落ちた夜は実に幻想的です。町村合併が実施されると継続は微妙ですが、都路だけのイベントを企画した関係者の心意気は充分に伝わってきました。
さて、このコーナーでは今回から2回に分けて、ボーリング工事の具体的なプロセスをご紹介します。井戸掘削の方法は、おもに櫓を組んでビットを回転させながら掘るロータリー工法、空気圧を利用してビットを叩きつけるエアハンマー工法があり、阿武隈山系は岩盤が硬いことから当社では後者を採用しています。ボーリングはまず掘削場所の選定から始まりますが、建築の妨げにならない場所、井戸の吉凶なども考えながら施主と相談して決めます。そこにボーリングマシーンを搬入しますが、大きなコンプレッサーも使うので、5m四方くらいのスペースが必要。山林では一部伐採となる可能性があります。 今回は掘削までのプロセスを追いますが、右はその概略図。大まかに@ケーシング掘りする土・粘土層、A素掘りする岩盤層に分かれます。@は崩れやすいので、ケーシングと呼ぶ長さ3mの鉄管を継ぎながら、その内部で掘削します。 |
井戸掘削の構造図
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右上が素掘り用のビット、左上がケーシング用のビット。形状が異なります
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通常は深さ15mくらいまでが粘土層で、そこに圧力が加わると泥が爆発して吹き出します。そのあとは安定しますが、粘土、砂、砂利と地表に出てくるものが変わってきます。岩盤に近づくとキンキンという音に変わってくるのですが、ボーリングのプロはその変化を見逃しません。今度は崩れる心配がないので、ケーシングのない素掘りに切り換えます。
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水脈にぶつかると、水が噴き出してきます。井戸の水量は毎分30リッター以上あれば家庭用としては充分ですが、当社では水量と水質の安定性を考えて深さ40mを標準としています。ただ、掘りすぎると岩盤の隙間に当たって水が逃げる場合もあるので、その辺の兼ね合いが難しいところ。見えない地中での作業だけに予定通りにいかないこともありますが、通常はここまで3〜4日くらいの作業です。次回は掘削後の仕上げの様子を追っていきます。(Y) |
水が噴き上げてきたところ。このまま40mくらいまで掘り下げます |
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次回は「ボーリング工事のプロセス(後編)」というお話
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