第6回 平山健治さん・美恵子さん夫妻のチャボ |
3羽のチャボ。色とりどりで、いちばん左がオスです。
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福島県田村市都路町の移住者・平山さんご夫妻のお宅には、2坪の鶏小屋があります。中をのぞくと、何種類もの鶏が飛び回っていました。とりわけ目立つのは色鮮やかな3羽の小さな鶏たち。今回はそのエピソードをうかがいました。
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●●今日ご紹介いただけるのはシャモだとうかがったんですが、チャボの聞き間違いでしたか。
妻「いや、そうではなくて、いただいたときはシャモだと聞いていたんです。私もシャモにしては弱そうな感じがしたけど、持ち主がいうんだから間違いないと思って。ところが、先ほど鶏に詳しい移住者の滝原さんが顔を出して、これはチャボだと断言された(笑)。胸から尾が黒っぽいものがオス、完全な白と薄茶色の2羽がメスです。このほかにロードアイランド系のメスが3羽、烏骨鶏がオス・メス1羽ずつ、会津地鶏のメスが1羽、合計9羽いるんですよ」 |
手作りの鶏小屋。敷地内のあり合わせの木で作ったとか。
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●●チャボを飼い始めたキッカケは?
妻「隣村に移住したご夫妻が、地元の人からもらったそうです。ところが、奥さんが親の病気で都会へ戻ることになり、ご主人が面倒を見ていた。10数羽もいたんだけど、鶏小屋が小さかったんですね。それで別の移住者のところに運んだの。一時は20羽くらいまで殖えたんだけど、小屋の穴からネコが入るみたいで、1羽ずつやられちゃったんですよ。それじゃ可哀想ということで、うちに連れてきたんです」 |
倉庫には鶏、犬や猫の餌が。ペットを育てるにもお金がかかります。 |
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自分で作った餌やり器。自動的に少しずつ餌が出てきます。
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●●ここにも猫や犬もいますが、鶏とケンカはしませんか。
妻「犬のタロは鶏に遊んでほしくて、最初は大騒ぎしました。ネコのトラは近づかない。自分より大きい動物が恐いんでしょうね。鶏同士もケンカしないよう、鶏小屋を2部屋にしたんだけど、不思議にケンカしないんです」
●●卵はよく産むんですか?
妻「それがまったくなの(笑)。白いチャボが2日に1個くらい産むだけ。その卵も小さいし、とくに味がいいというわけでもない。黄味は濃いですけどね。でも、見た目が可愛いでしょ。オスは羽がきれいだし」
夫「だから完全にペット。何の役にも立たないんだ」
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手前がチャボの卵。市販や他の鶏の卵に比べて、格段に小さいのがわかります。
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●●ご主人は鶏の世話をするんですか。
妻「とんでもない。どこに餌があるかも知らないくらいですよ(笑)。餌といえば、最近は高くなって20kg入りの配合飼料が1500円以上もする。うちはカインズホームで1000円弱の安いやつを買っているけど、野菜クズや残飯をあげても9羽で月に1袋以上は配合飼料を食べますね」
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●●それで2日に1個では、かなり高価な卵ですね。
妻「それどころか、うちは卵を買っているんですよ(笑)。せめて卵を産むメスがあと3〜4羽ほしい。産まないのは人にあげるといったら、ダンナは絶対にダメだって」
夫「鶏も飼っていると、人になつくんだよね。放しておいたら、こっちに近寄ってくる。やっぱり情が湧いてくるもの。もう5羽くらい死んだけど、ちゃんと丁重に埋葬しているんだ」 |
愛犬タロ。もともとは猟犬ですが、おとなしく佇んでいます。
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●●奥さんは千葉の農村部のご出身ですが、子どもの頃に鶏を飼っていたんですか。
妻「うちは卵を売っていたの。平飼いだったけど、数十羽はいたんじゃないかなあ。でも、鶏は嫌いだった。相手が子どもだとバカにして、目の前を飛んで脅かすのよ」
●●そのトラウマを克服して、現在に至っているわけですね。鶏小屋も手作りだとか。家をセルフビルド中の平山さんならわけありませんね。有り難うございました。
平山さんのHP「山村移住記」はこちら。
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健治さんを訪ねてきた滝原さん(左)。お互いに情報交換しています。
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