釣り人で賑わう古道川。春の都路の風景です
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4月1日は新年度の始まりとともに、釣りの解禁日でもあります。都路は行政的には福島県の中通りですが、水系は太平洋に注いでおり、昔から浜通りと密接な関係を持っていました。ここに流れている古道川は高瀬川の上流に位置し、途中で合流する室原川とともに1つの漁業協同組合を形成しています。
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鑑札の断りの看板は流域にも。無鑑札の人はその場で払ってください
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1日になると流域に釣り人が急増するので、すぐに解禁日だとわかります。昨年から禁漁区がなくなり、どこでも釣り糸を下げられるようになりました。ただし、期間は4〜9月で、釣り人は鑑札も必要。費用は一般で年6000円(投げ網は9000円)、日釣りも1500円で可能ですが、現場で買う場合は別途に500円が必要です。 |
ヤマメの塩焼き。山里の素朴な料理です
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では、古道川では何が釣れるのでしょうか。小学生から始めて釣り歴50年ほどという地元農家のR子さんに聞いたところ、「いまは放流するからヤマメが多いね。イワナは30匹に1匹もいない。魚体の斑点がきれいに並んでいるのがヤマメ、まだらがイワナ。6月になるとハヤも釣れるようになるんだあ。ハヤはウグイともいうけど、腹が赤いの。食べ方は塩焼きもあるけど、この辺では唐揚げにする人が多いね」とのこと。ちなみに、昔はフナに似たタナゴ、イワナも多かったそうです。彼女は朝5時半または夕方から出かけることが多く、日に30匹以上も釣ることがあるのだとか。服装はいつもと同じで、釣り竿も4500円くらいの安物で充分。川幅が狭く、長さ5m以下でいいからです。ただし、大物がかかると竿が折れやすいので、タモは持参しているそうです。肝心の餌ですが、「春先はイクラ。スーパーで300円くらいだから高くないのよ。5月に入ったら身近にあるミミズ、ブドウ虫や川虫も使う。釣れる場所はだいたいわかっているけど、深みがあって魚が隠れやすいところ、石があるところが目安かなあ」といいます。
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都路の「すずらん釣り堀」でも気軽にイワナ釣りが。その場で食べられます
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ところで、都路の釣り人に釣果を聞くと「この春は釣れない」という答えが返ってきます。とくにダムの堰堤で釣る人は例年と違う様子。数羽の鵜が飛来して魚を食べているという説もあるのですが、前出のR子さんは「私もあんまり釣れないけど、午前中がダメで夕方に釣れたから、やっぱり水温の低さが原因だと思うよ。でも、ヤマメは6月、お盆、秋にも放流するから、そのときが狙い目かもね」とのこと。川で釣りを楽しむなら、これからの方がいいわけです。なお、都路には気軽に楽しめる釣り堀が2カ所、隣の川内村にも1カ所あります。こちらはお子様連れのレジャーにお勧めです。(Y) |