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-あははおほほの田舎暮らしを始めるために-
No.39
2004年2月15日
物件の価格を決める要因(後編)
祝宴後の記念撮影風景。天然素材の建物に見とれました
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2月7日、S邸の完成祝いで建築関係者が施主から招待されました。この住宅は当社でも最初で最後と思われる大型プロジェクトで、伝統技法と現代建築の粋を集めたもの。工期も2年かかっています。都路の職人だけでは無理ということで、同じ田村郡の大越町の職人さんたちと共同で取り組みました。祝宴にはその両方の職人が顔を合わせ、普通の家なら1軒入るくらいの広々としたリビングで接待を受けました。こんな素晴らしい仕事をさせてもらったうえに、職人同士の情報交換にはまたとない機会を与えていただいたSさんには感謝の一語。ご馳走だけでなく、精神的にもリッチな気分になりました。 |
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平常の生活に戻ると、農村も不景気な話ばかりです。仕事が減って大変だ、あの店がつぶれた、といった話をよく耳にします。昨秋は浜通りで米泥棒が出現し、農村部の治安の悪化が他人事でないことを実感しました。これも不況の影響なのでしょう、自販機荒らしの事例もいくつか報告されています。田舎では鍵をかけない民家が多かったのですが、こういう物騒な話も聞こえてくるので、最近は都会と同じようにする家が増えています。残念なことですが、これも現代の田舎の実情なのです。 |
農村部の自販機荒らし。困ったものであります
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先祖伝来の土地を手放す農家の税負担は小さくありません |
不景気が続くと、田舎物件はもっと安くなるはずだと決めてかかったり、農家から聞いて相場はこれくらいだと信じ込む人もいます。仕事柄、私たちは農家から売却の相談を受けることが多いのですが、それが内容的・価格的に都会の人が田舎暮らしを始めるのにふさわしいものであれば前向きに検討します。ただ、安く不動産を手放しても、税金分はそちらで負担してほしいと頼まれることが少なくありません。言葉で言うと簡単ですが、これが大きいのです。移住者が手放す場合、購入資金が控除の対象となるので、1000万円で買ったものを1500万円で売っても課税対象は差額分だけ。現在は買った値段より安くなるケースがほとんどなので、譲渡課税の対象になる例はまずありません。 |
ところが、先祖伝来の土地を手放す農家は、(居住用資産などは除いて)100万円の基礎控除しか認められないのです。譲渡課税の税額は地方税を含めて26%なので、350万円で土地を手放しても250×0.26=65万円の負担。その土地を仮に当社が500万円で売り出しても、実際は85万円の粗利益しかないという数字になります。そこから広告費や人件費、営業費などを捻出するわけです。以上は一例で、実際の計算はもっと複雑ですが、田舎物件の価格にはこういう要因も絡んでくるのです。(Y) |
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次回は「当社のメディア対応について」というお話
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