台風一過で、都路村は日曜日から抜けるような青空が広がっています。大人は梅の天日干しをしたり、トウミギ(トウモロコシのこと)を収穫したり、忙しく動き回っています。夏休み中の子どもたちはプールで泳いだり、スポーツ少年団のソフトボールと、みんな元気いっぱい。今夏は梅雨明けが8月にずれ込む異常気象だったので、本格的な夏の訪れを村民は心から喜んでいます。お盆まであと数日ですが、14日には物故者の家々を焼香して回る新盆回り、そして盆踊りを楽しんで、短い夏が過ぎていきます。 |
子どもたちは村営プールで大はしゃぎ
|
|
トウミギの美味しい季節になりました
|
気になるのは冷夏の作物への影響ですが、田んぼの穂がまだ膨らんでいません。例年なら出穂の季節なので、かなり成長が遅れていることは確かです。それでも10年ほど前の米不足のときに比べると日照率は高く、多湿のときに発生しやすいイモチ病の噂もあまり聞きません。このまま順調に晴天が続けば、平年作に近づくことが期待できそうです。なお、畑やハウスでは前記のトウミギ、キュウリ、インゲン、ナス、トマトなどが収穫期を迎えています。 |
|
さて、「阿武隈のとびら」はしばらくナビゲーションシリーズが続いたので、そろそろ本来の路線に戻しましょう。今回は車なしでも暮らせるか、というテーマです。都路村の移住者で車を持っていない家庭は約1割、夫婦の一方しか免許を持っていない人まで広げると3割くらいでしょう。現代の農村は完全に車社会になっており、車がないと日常の買い物、通学・通院もままなりません。そこで、船引町の自動車学校に通って免許を取った移住者もかなりいます。 |
ただ、その自信や気力がない高齢者も多く、日常生活で不便なことも確か。都路−船引間には1日6便のバスが運行していますが、それを利用するため国道の近くに土地を求めたり、ご近所や移住者仲間で助け合って車に乗せてもらったり、移動スーパーに必要なものを運んでもらうなど、何らかの工夫をしながら暮らしているのが実情です。その意味では車なしでも暮らせるわけですが、本格的な農作業は資材運搬などで限界があるので、敷地1〜2反以下の田舎暮らしに限定されることは覚悟した方がいいでしょう。(Y)
|
農村を巡る移動販売車。食品だけでなくティッシュなど日用生活品の販売も |
|