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-あははおほほの田舎暮らしを始めるために-
No.29
2003年3月17日
冬に活動する林業という仕事
土手に咲くオオイヌノフグリ。花は直径5mmほど |
都路村は現在、快晴でぽかぽかの日もあれば翌日に春雪(浜雪とも言う)が降ったり、不安定な天候が続いています。それでも庭で福寿草が黄色い花、日溜まりの土手ではオオイヌノフグリが青い小さな花を咲かせ始めており、春の訪れが近いことを感じさせます。農家も畑で消石灰を撒いたり、野菜の種を購入するなど、活動的になってきました。本格的な春まで、あと2週間くらいといったところでしょう。 |
山村の住人は、寒い冬にただ家の中でじっとしているわけではありません。今は勤めに出ている兼業農家がほとんどですが、第一次産業に携わっている人は専ら山仕事に出かけます。阿武隈山系では昔は炭焼き、昭和40年代からはシイタケ原木やパルプ材の生産が盛んで、その作業を紅葉の時期から3月にかけて行います。同じ長さに伐られた原木が道路脇にうずたかく積まれており、この地方の冬の風物詩になっています。 |
道路脇に積まれた原木。この地方でよく見る風景です
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当社は都路林産開発という社名からわかる通り、もともと林業を手がける会社でした。過去形で書いたのは田舎暮らし事業がメインになったからですが、原木伐採は現在でも続けています。当社の古株・武田孝作は「青葉の時期になると木は水を吸い上げるので、伐っても樹皮が割れちまう。だから休眠中の冬に伐るんですけど、浜通りはここと違って温いから冬でも水が上がる」と言います。シイタケ原木に使用するのはナラやクヌギなど。ベテランになると1日に300〜400本の原木を出すことができます。
この日たまたま伐採作業に加わっていた坪井茂は通常、造成などの土木部門を担当しており、いわば未造成地を田舎暮らし空間に変えるプロフェッショナルです。自然に関しても詳しく、「切り株で東西南北がわかります。成長が悪い木だと見分けがつきやすいんだけど、年輪の詰まっている方が北になるんですよ」とのこと。伐採した雑木はキノコ栽培や薪ストーブ用として、希望する移住者にも販売しています。当社は時代のニーズに合わせて新しい事業に取り組みながら、林業という原点も大切にしていきたいと考えています。(Y) |
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次回は「写真でナビゲート(常磐道利用編)」というお話
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