前回、このコーナーでお伝えした「田舎暮らしの本」の広告ですが、思わぬ反響がありました。専門誌の読者はインターネットをやっていない人が多いのではと予想していたのですが、「息子にHPを見せてもらいました」と電話をくれた人もいます。専門誌の影響力にはとても及びませんが、自分たちの活動内容や主張を広く伝えるためにHPなどの自社媒体は必要です。田舎暮らし業界ではこの流れがますます加速するでしょう。
空家が出たら即、物件になるというものでもありません
自社媒体に対する問い合わせが増えてくると、「海まで30分以内にある沢沿いの雑木林がほしい」「すぐに農業ができる7反歩以上の畑がほしい」といった具体的なニーズに接することになります。私たちもそれに応えるべく努力していますが、物件の開拓は一般の人が考えているほど簡単ではありません。良い土地だから譲らないかと当方から話しかければ、仮に手放してもバブル時代の相場が復活してしまいます。逆に売りたいという土地建物を見ても、日当たりが極端に悪かったり、権利関係が極端に複雑だったり、希望価格が相場とかけ離れていたり、なかには法的に家が建たない土地などもあります。それでも一度は現地を見るのが相談を受けた地元業者としての礼儀であり、結果的に無駄骨を折る(方言では「ひまだれこく」と言う)ことが少なくありません。実際、物件として紹介できるのは10カ所見て1つか2つくらいです。ブローカー任せになりがちな都会の業者に比べて情報量は格段に劣りますが、農村の地元業者にはそれなりの苦労もあるのです。(Y) |