| |
-あははおほほの田舎暮らしを始めるために-
No.9
2002年4月9日
古民家や中古の補修費は意外に高い
4月1日の朝日新聞の夕刊(一部地方では4月3日の朝刊)の「ほがらか」欄に、当社のお客さんである移住者の前川達夫さんと都路村在住の田舎暮らしライター山本一典氏の記事が掲載されました。以下のHPでもご覧になれます。
http://www.asahi.com/osaka/hogaraka/020401.html
少し記事の補足をさせていただきますが、前川さんは1年数ヶ月前に船引町に移住された方で、家は大きな牛舎が見える高台に建てました。すぐ近くに古い墓地もあります。最初に近くの人から「都会から来た人に臭いがするとか文句をいわれても困りますよ」と釘を刺されたのですが、前川さんは「私はすべて環境を見て気に入ったから購入したのであって、文句などは一切言うつもりはありません」と答えたのだとか。それどころかご近所の人が毎日お茶飲みにこられるよう積極的に声をかけ、最初の冬から周囲の農家が白菜を60数個も届けてくれる関係になったそうです。
どうすれば充実した田舎暮らしができるか、前川さんは100冊以上の田舎暮らし関連書を読んで勉強してきました。その前向きな姿勢に頭が下がりますし、私たち村民も勉強になることばかりです。
写真-これは約1000万円の農家補修。床下の材料を取り替えたり、大黒柱をくりぬいて土台を差し込んだり、見えないところに手を加えている。
前川さんは農家跡地に家を建てたのですが、最近は古民家や中古住宅を求める都会の人も増えてきました。この地域は雪国のように売家は多くないのですが、古いものを大切にしたり、リサイクルの発想を持つのはとてもいいことです。
ただ、残念ながら安いから中古がいいと思っている人が多いのも事実。しかし、これは正しい考え方とはいえません。中古のリフォームは水回りなど最低限の補修で300万円、標準的な工事で600万円、古民家など大きな農家なら1000万円くらいかかるのが普通だからです。
どうしてそうなるかと言えば、基礎に原因があります。束石に柱を載せる昔ながらの基礎は傷みにくいのですが、古い農家でも改築したものが少なくありません。とくに昭和40年代から50年代に手直ししたものはブロック基礎を使ったものが多く、この工法では床下の湿気を吸い上げて土台に伝えるため建物全体に傷み発生しやすいのです。戦後の開拓農家も、この建築工法で新築されたものが珍しくありません。また、人が住まなくなった建物は工法に関わらず傷みの進行が早くなります。
柱や梁の太い古民家は魅力的です。しかし、これを本当に生かせるのは新築以上に予算がある人、というのも事実なのです。中古住宅のリフォーム物件なら800万円前後からありますので、安い物件を探している人はこのラインが1つの目安になります。(Y)
次回は「自給自足に畑はどれくらい必要か」というお話
|
|