白い樹皮が青空に映える「シラカバ」
真っ直ぐに生えるシラカバ。青空と白い樹皮、緑の葉のコントラストが抜群です。
シラカバは高原の代表的な樹木。北海道や長野でよく見かけますが、阿武隈山系でも敷地に植えている移住者が少なくありません。日本では福井が西端、静岡が南端となっており、もちろん福島でも見かけます。正式名称はシラカンバで、シラカバはそれを略したもの。和名は白い樺の木という意味です。シラカバは山火事のあとに真っ先に生えるという性質があり、その生命力の強さからパイオニアツリー(先駆者)とかナースログ(保護樹)とも呼ばれています。明るい場所を好む陽樹で、白い樹皮が青空によく映えます。
真っ白い樹皮。天然の着火材としても使われます。
高さが20m以上にもなる落葉高木ですが、普通は1代限りで消えます。幹の直径は30cm〜1mほどで、真っ直ぐに伸びるのが特徴です。たくさん枝を伸ばし、全体的には卵形の樹幹になります。葉の周囲はギザギザしており、形は菱形または三角形に近い卵形。秋には黄色く紅葉します。白い樹皮は光沢があり、紙のように剥がれます。花粉を雌しべまで運ぶのに風を利用する風媒花の1つで、北海道では花粉症の主な原因だとか。東北でその話は耳にしません。
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成長は早く、太陽に向かって枝を伸ばします。 |
シラカバは木目が美しいので、家具材や内装材として使われてきました。割り箸の材料にもなりますが、広く利用される樹木ではありませんでした。ところが、近年になって注目されてきたのが樹液。虫歯にならない人工甘味料・キシリトールの原料なのです。樹液は早春、幹に穴を開けて採取します。大地から木が汲み上げた水で、ミネラルが豊富。それを瓶詰めした市販品も北海道などで売っていますが、ほのかな甘みが口に広がります。北欧やロシア、韓国などでは昔から健康飲料として口にされており、日本でも愛飲する人が増えてきました。今後もっと利用価値の高まる樹木になるかもしれません。
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健康飲料として注目されてきたシラカバ樹液。利尿作用があるとか。 |
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