雑木林の主役「コナラ」
コナラは雑木林の代表的な樹木。ブナ科の落葉高木です
都会人に人気の高い雑木林。いろんな樹木が生えているから天然木、と思っている人もいるでしょう。自然に生えてくるという意味ではその通りなのですが、本当は伐採した切り株から萌芽してくるもので、ほぼ20年サイクルで成長します。これを二次林といい、人間の営みと不可分な樹木です。その二次林の代表的な落葉高木がコナラで、北海道から九州にまで分布しています。特に花崗岩台地に覆われた阿武隈山系では馴染みが深く、あちこちの里山で見ることができます。
枝先に葉が集中するのもコナラの特徴。実は秋に落下します
コナラは「小さい葉のナラの木」という意味。ナラは風が吹くと葉がよく鳴ることに由来します。再生力が高いことため薪炭材の主要樹木で、30年ほど前からはシイタケ原木やパルプの原料としても林業を支えてきました。いまは価格低迷でかつてほどの活気はありませんが、それでも冬に伐採が行われます。ただし、曲がりの大きな木、樹皮を除いて木口6cm以下のものは商品になりません。
冬にはシイタケ原木として伐採・出荷されます
ドングリから芽生えたコナラは根が太く、たまに巨木となるものがあります。神社の境内では直径1m近いものも存在します。コナラは葉がギザギザしており、樹皮はクヌギに似ています。違いはクヌギがゴツゴツしているのに対し、コナラはスベスベしたものが多いこと。ただし、コナラにもゴツゴツしたものが含まれるので、素人には見分けが難しいところです。地元の人ならすぐわかりますので、阿武隈山系で聞いてみてください。
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