No.12
2002年6月3日
農地法に対する当社の方針
『失敗しない田舎暮らし入門【最新版】』は1600円+税(洋泉社)
都路村在住の田舎暮らしライター・山本一典氏の近著『失敗しない田舎暮らし入門【最新版】』が、6月4日に全国書店で店頭発売となります。本書は1999年に出版した『失敗しない田舎暮らし入門』を全面改訂したもので、序章「なぜ都会人は失敗するか」から始まり、「田舎を知る」「田舎を手に入れる」「田舎に住む」「田舎を楽しむ」という4章構成で、田舎暮らしに必要なノウハウのすべてを紹介しています。田舎暮らしの入門書は数々あれど、ここまで詳細に内容を記述した単行本は見当たりません。当社まで来られた方には直売もいたしますが、17年間の取材に基づく本書をぜひご一読ください。
この本の冒頭でも新規就農者の失敗について触れられているのですが、最近は農地を求めるお客さんが増えてきました。ご存じのように、農地を取得するには農地法をクリアーする必要があります。阿武隈山系に足を運ぶ都会の方もある程度の知識は持っているようですが、「真面目に5反歩耕さないと駄目なんでしょうか」「住民票を移せば実際は住まなくてもいいのでしょう」と聞いてくる人もいます。
農家の畑。ホウレンソウが収穫期で、ダイコンやジャガイモも順調に生育している
農地法の運用は町村によっても違います。この阿武隈山系でも農地法の3条申請=所有権移転が通りやすい町村、きわめて厳格に審査する町村(の農業委員会)があります。また、3条申請は農地の地目を変える5条申請と違って利権を生む恐れのあるものではなく、荒廃した農地の有効活用につながるものです。そのため当社も可能な限り都会の人の希望を聞き入れ、柔軟に対応してきました。
しかし、農地を取得した新規就農者が農地を放置する例、いちど住民票を移して実際は居住しない例なども出てきました。こうした例が増えてくると農業委員会の心証が悪くなり、都路林産開発は農地法逃れの手伝いをしているのではないかと誤解されかねません。そこで、農地は耕作する人が所有するという農地法の原点に立ち戻り、新規就農希望者には「そこに住んで出荷するために耕す」という最低限の心構えを問いたいと思います。それはできない、仮登記も嫌だ、という人に農地の販売はいたしかねます。(Y)
次回は「野菜栽培や畜産だけが農業じゃない」というお話
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