「陶芸の杜おおぼり」の外観。この裏手に登り窯もあります。
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都路に端を発する高瀬川を下ると、県道いわき浪江線の沿道に陶芸の盛んな集落が見えてきます。地名は浪江町の大堀地区。その歴史は古く、300年以上前に藩士の下僕・左馬という人が中心になって始め、江戸末期には100数戸もの産地になりました。販路も北海道から関東一円、上州にまで広がったといいますから、まさに一大窯業地域だったわけです。しかし、明治に入って藩の援助がなくなり、窯元が激減。現在は27戸の窯元がその伝統を受け継いでいます。
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館内では大皿や器など、名作も見ることができます。
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焼き物は産地の名を取り、相馬大堀焼きと呼ばれています。その特徴は、第一に青いヒビがあること。それが器全体の地模様になっています。材料の粘土はいまここで採れませんが、名古屋と鹿島の粘土を混ぜることできれいなひび割れができるようです。第二に、走り駒の絵があること。疾走する馬が巧みな筆遣いで描かれています。もっとも、馬だけではなく鳥や花なども登場します。第三に、二重焼きの構造を取り入れていること。お湯が冷めにくく、持っても熱くないという工夫がなされているのです。同じ福島県の相馬駒焼きに似ていますが、こちらの方が庶民的。「陶芸の杜おおぼり」はいつでも作品を見たり、購入することができる施設です(休館は年末年始のみ。入場無料。営業時間9:00〜17:00)。
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昨年の「大せとまつり」も大人気。女性も目立ちます。 |
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その「陶芸の杜おおぼり」の広場で、毎年5月1日〜5日のゴールデンウィークに開かれるのが「大せとまつり」(開場は8時半)。窯元の作品を一堂に集めた展示即売会で、相場大堀焼きの作品がズラリと並びます。この期間は通常より価格も安めになっており、まとめ買いのチャンス。また、うどん、そば、焼きそば、焼き鳥などのおいしいものコーナー、もちつき大会なども開催されるので、家族連れでも楽しめます。ゴールデンウィークのいい思い出になるでしょう。 |
5月に開かれる「大せとまつり」。一大イベントです。 |
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2000円前後の陶器が多く、価格はリーズナブル。まとめ買いのチャンスです
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