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当社のテリトリーは福島県東部の田村郡を中心に、双葉・相場・安達の各郡にまたがっています。このコーナーでは有名・無名を問わず、一見の価値がある見どころ
・食べどころを紹介します。
【第29回】平伏沼(川内村)
山頂にある平伏沼。神秘的な空間です。
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平伏沼と書いて「へぶすぬま」と呼びます。この沼があるのは標高842mの平伏山の頂上。県道36号線から子安川林道を6kmほど入りますが、現在は舗装されて車で簡単に足を伸ばすことができます。入口には案内看板のほか「平伏沼まで あと180m」の文字が。このくらいの距離なら高齢者でも大丈夫でしょう。手つかずの雑木が生い茂る林の中を、ゆっくりと登っていきます。遊歩道は木の根っこがステップとなり、多くの人が歩いたことを物語っています。鳥や蛙の声はしますが、静けさに包まれており、都会人には神秘的な空間と映るに違いありません。ゆっくり歩いて約10分後に、目的地の沼が見えてきます。
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入口の看板。ここまでは車で行けます。
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平伏沼の面積は1反2畝。360坪ほどです。それほど大きなものではありませんが、山の中にきれいな水をたたえています。一時期はこの付近で伐採が行われ、同時に間伐が重なって危機的な状況に見舞われましたが、村民の努力で保護されることになりました。というのも、この平伏沼こそ国の天然記念物指定を受けたモリアオガエルの繁殖地で、岩手県の八幡平大場沼とともに全国で2カ所しかない指定地なのです。その貴重な沼を、地域の人たちが守り続けてきました。沼には遊歩道がつくられており、歩いて一周することもできます。畔には「蛙の歌」で知られる詩人、草野心平さんの歌碑もあります。
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沼までの遊歩道。適度ないい運動になります。 |
モリアオガエルの産卵は6月から7月にかけて。このカエルは指に吸盤があり、水中ではなく、水面に張り出した木の枝や葉に白い泡状の卵を産み付けます。大きさは7〜10cmくらいで、やがて白から黄褐色に変化。卵はその中で育ち15日ほどでオタマジャクシ、水中に落下して40〜50日後にはカエルに変わります。成長するとオスが11cm、メスが15cmくらいになります。木の葉と同じ緑色で、なかなか見分けがつきません。その貴重さから、昭和16年に国の天然記念物に指定されました。きれいな天然水があればこそ、こういう名所が生まれたのです。紅葉を愛でる秋のハイキングにもお勧めです。
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モリアオガエルの卵と思われるもの。最初は白い泡状です。
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