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当社のテリトリーは福島県東部の田村郡を中心に、双葉・相場・安達の各郡にまたがっています。このコーナーでは有名・無名を問わず、一見の価値がある見どころ
・食べどころを紹介します。
【第22回】あじさい寺・高林寺(東和町)
山一面に咲く高林寺のアジサイ。まさに幻想的です
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東和町を通行していたら、面白い道路に出くわしました。町道若宮下田線なのですが、道路の両脇に色鮮やかなアジサイの花が連なっています。最初は「花いっぱい運動なのかな」と思ったのですが、走っても走っても花が途切れません。何と10kmくらい延々と続くのです。このルートは7月に2・5・10km・ハーフマラソン+ウォーキングが行われるロードレースの会場で、別名アジサイロードとも呼ばれている道路だったのです。やがて沿道に「あじさい寺 高林寺」という看板が見えてきました。
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アジサイロードの様子。この風景が両脇に10kmも続きます
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境内に入ると、山一面にアジサイの花が咲き乱れています。珍しいツルアジサイやガクアジサイが植えられており、何と5000株もあるのだとか。その眺めは見事の一語です。一部は墓地になっているのですが、こんな美しい花園で眠れる人が羨ましくなるほど。それにしても沿道のアジサイ、寺のアジサイ、どうしてこんなすごい名所ができたのでしょうか。不思議に思っていたら、住職の塚原眞英さんが笑顔で登場。 |
「気軽にお立ち寄りください」と住職の塚原さん。右は理事の佐藤さん |
「25年前に植え始めて、挿し木で少しずつ増やしてきたんです。境内では植える場所がなくなり、沿道に植え始めたんですが、500mくらいのときは近所に文句をいわれた(笑)。ところが、当時の教育委員長が観光名所になると言い出して、地域の人も一緒に取り組むようになったんですよ。有名になったのは石原裕次郎の7回忌のとき。ここからアジサイを運んで、海を青、波を白い花で飾った祭壇を造ったんです。それが地元のテレビや新聞が取りあげられ、黙っていても宣伝してくれるようになりまして。管理は大変ですけど、皆さんに喜んでもらえるのが楽しみなんです」と説明してくれました。 |
美術会の人たちが描いた色鮮やかな天井画
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鎌倉の「明月院」をはじめ、アジサイ寺と呼ばれる名刹は全国に点在しています。梅雨時は気象の変化が激しいため昔は病人が続出し、アジサイを死者に手向ける意味もあったようです。高林寺は全国的にはそれほど有名でないかもしれませんが、その手入れの良さ、栽培の雄大さに住職と地域の人たちの心意気が感じられます。本堂も見所が多く、とくに194枚の天井画は見事です。これは東和町総合美術会の作品で、理事の佐藤清吉さんによると「会員は30数名います。みんな絵が好きで、趣味で始めたんですよ」というから大したもの。とても素人の絵には見えないのですが、東和町の人たちの絵心が伝わってきます。アジサイは7月25日くらいまでが見頃(入場は無料ですが、浄財として200円をお願いしているとか)。雨とアジサイの取り合わせもぴったりで、一見の価値あり、です。
ぜひ、シーズン中に訪ねてみてください。
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