山にへばりついている「屏風岩」。地下にも岩脈があります |
実は、阿武隈山系は日本で有数のペグマタイトの産地。別名「巨晶花崗岩」と呼ばれているように花崗岩質で、石英、長石を主成分とした大きな結晶が集まった岩です。これが阿武隈山系の西側に沿って形成されており、北は福島県の伊達郡から南は石川郡まで140kmも帯状に連なっているというから驚きです。とくに西田町から隣の白沢村にかけては大産出地でしたが、光学レンズや陶磁器など工業用の原料となるため、採掘されつくしてしまいました。面影が残る唯一の場所がここで、現在でもペグマタイトの埋蔵量約1万4000トン。露出している面の延長は約40m、幅14mで、地下10mまでこの岩石があると推定されています。 |