火曜日ならこのボリュームで1000円。これで足りなければおかわりも。
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さて、阿武隈山系でお勧めする蕎麦屋の2軒目です。もし知り合いから「美味くて食べ応えのある蕎麦屋に行きたい」と聞いたら、「火曜日まで待って」と言いたくなる店があります。国道288号線沿い、三春町との境界に近い「かんのや文助本店」です。ここはよく通るけど店を見たことがない、その店名はもしかして、と思った人もいるでしょう。そう、福島銘菓「家伝ゆべし」の製造元としてあまりに有名な「かんのや」の本店で、国道沿いの店舗でもお菓子を販売。「おそば」と書いた幟が2本あるだけなのでわかりにくいのですが、実はこの店舗の中に蕎麦屋が併設されているのです。お菓子を売るための客引きではと思う人がいるかもしれませんが、とんでもない。都路村からは車で40分くらいかかりますが、その美味さにわざわざ出かける人もいるくらいなのです。 |
信州蕎麦に似ているのですが、麺は真っ白な更級系よりはやや色がついており、コシがあって本格的です。ツユはカツオ風味で、どちらかといえば濃いめ。それでも全体的にサラサラしているため、気持ちいいくらいスルッとのどを超えていきます。ここにはうどんもあり、それぞれ温・冷を指定できますが、かけと盛りが420円、にしんまたは山菜付きが630円、大エビや野菜の天ぷらが付く人気メニューが1000円と良心的。 |
「かんのや文助本店」の店舗。裏手には工場があります。 |
さらに平日は山菜の入ったかやくご飯がサービスとなります。モチモチしていて味わい満点です。そして冒頭に述べた問題の火曜日、何と蕎麦が食べ放題なのです。普通の人は盛り2枚でギブアップですが、3枚以上を平らげていく強者もいます。写真を見てもらうとわかりますが、本格手打ち蕎麦が数枚+天ぷらの盛り合わせ+かやくご飯で1000円は文句なしに安い! 本当は秘密にしておきたいくらいの名店です。 |
かんのやの「家伝ゆべし」。上品な甘さで好評です。 |
蕎麦湯を胃に流し込み、満足感に浸ったあとは「おあいそ」ですが、ここまできたらお菓子もぜひ買っていきたいもの。かんのやのゆべしは胡桃やゴマ入りもありますが、有名なのは三角形の「家伝ゆべし」。300年以上前に携帯兵糧として作られたという伝統の1品で、米で作ったゆべし生地にあんを包んだもの。ゴマの香ばしさとほどよい甘さが特徴で、蕎麦を食べたあとのデザートにもなります。ただ、食べ放題の火曜日にそこまでは無理だと思いますので、ご自宅で3時のおやつを楽しんでください。
※阿武隈山系の美味しい蕎麦屋紹介は見つけ次第、今後もやる予定。私はここがお勧め、という情報があったらメールでの自薦・他薦も歓迎します。 |
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