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当社のテリトリーは福島県東部の田村郡を中心に、双葉・相場・安達の各郡にまたがっています。このコーナーでは有名・無名を問わず、一見の価値がある見どころ
・食べどころを紹介します。
【第14回】岩角山岩角寺(白沢村)
岩肌に線刻された仏様。岩角山のあちこちで見られます
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阿武隈山系は地震に強い花崗岩台地で覆われています。ただ、墓石などの石材店や井戸ボーリング現場で掘りクズでも見ない限り、それを意識することはありません。人の背丈の何倍もある、その浸食された花崗岩の巨石がゴロゴロしているのが、これから紹介する岩角山岩角寺(いわつのさんがんがくじ)。二本松市との境に位置する標高337mの岩山で、仁寿元年(851年)に慈覚大師が開基したという古い霊場です。伝説によれば唐の国から帰航の際に難破しかけた大師が毘沙門天に助けられ、功徳を感じて彫った尊天像の安置場所を探しに諸国行脚したところ、この山の麓で紫雲がたなびき尊天が現れたので像を安置しました。それほど霊験あらたかな場所ということなのかもしれません。 |
日本三鐘楼の1つ・四面鐘もあります
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石の門をくぐって境内に入ると、多くの仏像が迎えてくれます。その先の岩山に巡らされた通路を登っていくことになりますが、目を見張るのは岩肌に描かれた仏様。西国三十三観世音や菩薩、天王、天神など800余躰もあるのです。その表情はさまざまで、微笑んでいるように見える仏様もいれば、こちらを見つめているような仏様もいます。江戸時代初期のものとされていますが、これほど大がかりな宗教施設になったのは当時の二本松藩主・丹羽光重の信仰が厚かったためといわれています。 |
岩の間を通れる胎内くぐり。願いがかないます
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山麓には江戸時代に彫刻された大黒天、中腹には見事な彫刻を施した毘沙門堂、聖観音堂、山頂には日本三鐘の1つに数えられる鐘楼や縁結びの願掛け通路・胎内くぐりなどもあります。周辺には杉の巨木なども茂っており、見どころは満点。また、山頂からの眺望も素晴らしく、南に那須連邦、西に安達太良山、北に吾妻連邦を一望できます。普段はひっそりした仙境ですが、1月3日の「岩角山大梵天祭」は多くの参拝客で賑わいます。阿武隈山系の仏教施設で、小野町の東堂山を東の横綱とすれば、この岩角山を西の横綱に挙げていいでしょう。 |
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