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当社のテリトリーは福島県東部の田村郡を中心に、双葉・相場・安達の各郡にまたがっています。このコーナーでは有名・無名を問わず、一見の価値がある見どころ
・食べどころを紹介します。
【第10回】東堂山の満願寺(小野町)
東堂寺の鐘楼。木組みの美しさに見とれます
数年前に磐越自動車道のICが開通し、阿武隈山系の玄関口として発展しつつある小野町。地域名は坂上田村麻呂の東征後に統治した小野篁(おののたかむら)にちなんで付けられたもので、その娘こそが六歌仙であまりにも有名な女流歌人・小野小町です。絶世の美人としても知られ、父とともに京へ立ち去る際はみな小町の美しさに振り返ったとか。当時の名所旧跡も多く、その1つが今回ご紹介する東堂山満願寺です。開基約1200年の古刹で、坂上田村麻呂が戦勝をもたらした観世音に感謝し、戦で死んだ人馬を供養するため807年に御堂を建てたという言い伝えが残っています。
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現存している大石垣。まるでお城のようです
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その満願寺は標高659mの東堂山の山頂付近にあり、車を降りて境内に入ると太い杉の巨木見えてきます。徳川中期に植えられたもので、樹齢は250年〜300年くらい。山の中腹をぐるりと1周する散策コースもあるので、生命の息吹を感じたい方はぜひお試しください。巨木の先にある石段を登ると、大きな白御影石の上に建てられた鐘楼が出現します。1861年の建立とさほど古いものでありませんが、木造建築「蜘蛛流」の代表作と言われ、精巧な木組みに圧倒されます。梵鐘は第二次大戦時に供出されたのちに奉納された新しいものですが、ともかく一見の価値がある素晴らしい建造物です。なお、近くには1887年に構築された大石垣も現存しており、当時の石組み技術の高さを忍ぶことができます。 |
観音堂は養和46年に再建されたものですが、それほど新しい建物とは思えないほど風情があります。「合格祈願」や「家内安全」と書かれた絵馬が数多く掛けられており、御利益があるようです。また、もともと馬産地であるため馬産家の信仰も強く、福島競馬が開催されるとお祈りに来る人も多いとか。ほのぼのとした話です。何かと見どころの多い古刹ですが、もう1つ特筆すべき芸術作品群があります。それは次回のこのコーナーでお伝えします。 |
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昭和に再建された観音堂。風情のある建物です
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山門には1対の立派な彫刻も。見どころたくさんです |
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