当社のテリトリーは福島県東部の田村郡を中心に、双葉・相場・安達の各郡にまたがっています。このコーナーでは有名・無名を問わず、一見の価値がある見どころ
・食べどころを紹介します。
【第5回】 お人形様(船引町)
屋形のお人形様
ユーモラスなお面に杉の葉の髪、広げた藁の両手・・・もし旅人が偶然この物体を見つけたら、農家が考えた新しい案山子か風変わりな芸術家の作品と思うかもしれません。しかし、実は古い伝統を持つ県の重要無形文化財なのです。「お人形様」は身長約4m、腰に刀を差し、手になぎなたを持った大鬼の形相をしています。かつて三春町から小野町を通り平(現在のいわき市)に至る道を磐城街道(現在の県道門沢・三春線)と呼んでいましたが、その街道沿いに5体祀られていました。現存するのは船引町芦沢地区を中心に約5kmの範囲で屋形・朴橋・堀越に3体のみですが、毎年陰暦の3月15日に「お衣替え」といって顔を茶・赤・白などの顔料で化粧したり、髪の毛の杉葉を取り替えたり、菰や縄の飾りを新しくしたりして、お祭りを続けてきました。
朴橋のお人形様
起源の詳細は明らかではありませんが、幟に文化15年(1818年)とあるので、その歴史は180年以上。当時は悪疫が流行し、その苦しみから逃れるために無病息災、厄除の守護神として祀られたといわれています。お面は何度か作り替えられていますが、地域住民の素朴な祈りが伝わってきます。近くを通ったら、3体の容姿を見比べながら一家の無病息災をお祈りしてはいかがでしょう。ちなみに、地元には胡桃あんをパイに包んで焼き上げた「お人形様」という美味しいお菓子もあります。
堀越のお人形様
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