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阿武隈山系の人たちがよく口にする素材とメニュー、その調理法を紹介するコーナーです。郷土色豊かな料理とともに、都会の人が調理しやすいメニューも取り上げていきます。
【第11回】梅干し |
【今回の料理】梅干し・・・田舎ではぜひ作りたい加工品です
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梅干し作りの季節がやってきました。第2回で「梅の甘酢漬け」をご紹介しましたので、今回は本格的な「梅干し」作りを取りあげます。阿武隈山系では梅を育てている農家がたくさんいて、作業は畑で梅の実を取るところから始まります。高木は竹などでたたき落としますが(地面にはシートを)、俗に「桜伐るバカ、梅伐らぬバカ(桜は枝を伐ると病気になって枯れやすいが、梅は伐って手入れをしたほうが花も実もよい、という意味)」と言われるように、低い梅の木の枝は遠慮なくノコギリで伐って手元で実をもいでいきます。この作業はけっこう大変なので、仲間でやった方がいいでしょう。
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【今回の素材】梅・・・・伐れば作業もすごく楽です
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■梅干しの材料
・梅30kg
・塩3kg
・酢1升4合
・焼酎1升4合
・氷砂糖2〜3kg
・蜂蜜大瓶1個
・赤紫蘇適量
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■作り方
@梅の実をよく洗い、ざるで水切りしてから漬けもの樽のなかに入れる。その上に塩を振るが、大量に漬け込むときは10キロごとに1キロの塩を挟む。
A上から酢と焼酎をそれぞれ1升ずつ振りかける。
B押し蓋をして、梅の重量の二倍くらいの重石を載せる。夕方つけて、一晩で水が上がらなければ重石を増やす。水が上がったら半分以下に軽くする。あとは涼しい場所で保管する。
C20日間くらい経ったら、晴れた日に土用干しを行う。梅を一粒ずつ並べ、2〜3日間天日で干す。梅は1日1回くらいひっくり返したほうがいい。夜もそのまま干しておく。
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天気のいい日に天日干し。農家はこんなに作るんです
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赤紫蘇の塩揉みはまず芋洗い棒(松の枝)を使う手も |
D漬け込み容器を洗い、そこに梅を戻す。発色をよくするため、よく塩で揉んだ赤紫蘇を梅が見えなくなるくらいまでパラパラとかける(お湯をくぐらせる方法もある。作業は塩揉みより楽だが、色は出にくい)。
Eさらに紫蘇が隠れるくらいにザラメの砂糖を振りかける。いちばん上に蜂蜜をかける。さらに、酢と焼酎を4合ずつ振りかけておく(この分量は好みで減らしても可)。
F押し蓋、重石(軽くて良い)をして、焼酎の成分が抜けないように上にビニール被せてヒモで密封、冷暗所で保存する。20日後くらいから食べられるようになる。 |
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