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阿武隈山系の人たちがよく口にする素材とメニュー、その調理法を紹介するコーナーです。郷土色豊かな料理とともに、都会の人が調理しやすいメニューも取り上げていきます。
【第10回】フキとタケノコの煮物 |
【今回の料理】フキとタケノコの煮物・・・・まさに山の幸の味覚です
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晩春から初夏にかけて、阿武隈山系ではフキとタケノコがあちこちで収穫できます。フキは田んぼのまわりや土手などに群生します。長さ50cm前後のものが柔らかくて美味で、細すぎると風味が出ません。一方、この地方のタケノコは孟宗竹よりも、むしろ淡竹(はちく)が主流。細長く伸びるのが特徴で、長いものは1m以上になります(食用に適するのは30〜50cm前後のもの)。孟宗竹と違って柔らかく、灰汁抜きせずにそのまま調理できます。主な料理法は、生のまま薄く斜めにスライスして天ぷらにする・みそ汁の具にする・油炒めにする、または炭火で皮のまま焼き塩をふって食べても美味です。今回はこの2つの食材を採り入れた煮物をご紹介しますが、煮物ではなく油炒めで食べる方法もあります。その場合はサラダ油またはゴマ油で炒めてから、酒・みりん(お好みで砂糖も)・醤油で味を調えてください。フキのほろ苦さとタケノコの風味が口一杯に広がります。ぜひお試しください。
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【今回の食材】フキと淡竹・・・・阿武隈山系の6月の恵みです
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■フキとタケノコの煮物の材料
・フキ1束(約300g)
・淡竹5本
・さつま揚げ3枚
・だし汁3カップ
・酒・みりん各大さじ3
・塩小さじ3分の2
・醤油大さじ1 |
■作り方
@まずはフキの下拵え。フキの茎の部分だけをまな板の上に載せ、塩をふって板ずりする(または生のフキを約5cm幅に折り皮をむきながら水の中に入れる方法もあるが、素手でやると真っ黒になるので、軍手かビニール手袋を着用すること)。板ずりしたフキを熱湯の中に入れ、5〜10分ほど硬めに茹でる(少し酢を入れると青みが出やすい)。次に、水の中に入れて10〜15分ほど冷やす。フキの皮をむき、5cmくらいの幅に切り揃える。すぐに調理しないときは、ビニール袋に入れて冷蔵庫へ。
A次はタケノコの下拵え。淡竹の皮をむく。上の柔らかいところだけをカット。さらに幅1cmくらいに斜め切りする(これをビニール袋に入れると冷凍保存も可能)。それを水にさらしておく。
B鍋にだし汁を入れ、酒、みりん、醤油、塩で味を調える。
C細長く切ったさつま揚げを入れて煮込む(さつま揚げの代わりにミガキニシンを使う方法もある。この方が味は出やすい)。
Dさらに@とAを加え、10分ほど煮込むと出来上がり。煮るときはあまり柔らかくなりすぎないように注意。 |
これが淡竹。美味なのに食べるのは東北など一部とか
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