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阿武隈山系の人たちがよく口にする素材とメニュー、その調理法を紹介するコーナーです。郷土色豊かな料理とともに、都会の人が調理しやすいメニューも取り上げていきます。
【第7回】手作り味噌 |
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阿武隈山系では多くの農家や移住者が味噌を手作りしています。1月から山吹の咲く頃までが仕込みの季節で、仲間と共同でやると作業が楽になります。豆は白い大豆以外にアオバタ豆、枝豆のだたちゃ豆などを使う人もいます。麹は手作りしている人もいますが、味噌屋から1kg650円で買っている人が少なくありません。塩も1kg当たり200円〜3000円前後と、人によってさまざまです。ここでは標準的な配分にしますが、麹を多めにすると甘めの味噌ができます(通常は2割り増しくらいですが、2倍程度まで可能)。減塩した場合は腐りやすくなるので、まめにカビを除いてそのまわりを焼酎で拭き取る作業が必要です。手作り味噌は1つとして同じ味になりません。ぜひ手前味噌にチャレンジして、知り合いに自慢してください。
※写真は今年1月に行った「気まま工房/手作り味噌を味わう会」の作業風景です |
■18kgの手作り味噌の材料(1人当たりの年間使用料は4.5kgが目安)
大豆5kg、麹5kg、塩2kg、水
■必要な道具
大きな鍋、大きなざる、味噌擦り器(なければすり鉢またはミキサーでも可)、30リットルの樽、押し蓋、総重量の1〜2割程度の重石
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大豆を水洗いし、約3倍の水に一晩つける。その水は差し水に取っておく。翌日、それを大きめの鍋に移す。 |
A |
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大豆を煮る。豆から指1本分の高さまで水を加え、薪なら4〜5時間、ガスなら6〜8時間ことこと煮る。途中で灰汁を取り、水が少なくなったら差し水する。煮汁は旨み成分なので、吹きこぼれないように注意する。 |
B |
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大豆が親指と小指で挟んでつぶせる柔らかさになったらざるに移す。 |
C |
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味噌擦り器で煮豆をミンチ状につぶす。 |
D |
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台の上で麹を手でほぐし、塩を加えて均等になるまで混ぜる。それを袋に戻しておく。 |
E |
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Cを大きな台の上に載せ、麹菌が死なない50度以下の温度までしばらく冷ます。そこにDを加えて、豆の煮汁を加えながら均等になるまでよく揉みながら混ぜる。耳たぶの硬さくらいがいい。 |
F |
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Eを大きな玉にして、樽の中に空気が抜けるように投げ入れる。上まで重ねたら表面を平らにして、ラップをかける。その上に塩を少し載せておくとカビにくくなる。押し蓋をして、さらに重石をする。
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なお、1月に手作りしたとして、4・6・8月の3回くらい上下をかき混ぜる天地返しが必要です。その際、カビはよく取り除くこと。食べられるのは1年後くらいからです。 |
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