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阿武隈山系の人たちがよく口にする素材とメニュー、その調理法を紹介するコーナーです。郷土色豊かな料理とともに、都会の人が調理しやすいメニューも取り上げていきます。
【第4回】けんちん汁 |
【今回の料理】
けんちん汁・・・心身ともに温まる1品です。
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寒い日には心身ともに温めてくれるけんちん汁。関東ではしょうゆ味が普通ですが、この地方では味噌で味付けするのが主流です。身近にある野菜をたっぷり使い、豆腐を崩して入れ、ほかほかに仕上げます。また、豆腐の代わりに豚肉を入れて豚汁にする家庭も少なくありません。おもに秋から冬のメニューですが、葬式のあとの精進揚げにもつきもの。そのときはうどんを入れて、けんちんうどんにして出されます。それだけ阿武隈山系に根強く普及している食べ物なのです。美味しく作るコツは、とにかく大きな鍋で大量に作ること。煮込みすぎても美味しくありませんが、味が染みわたったときに1人で2〜3杯くらいはいただきます。また、調理するときはできるだけ手作り味噌を使うこと。この地方の移住者や農家は味噌を手作りしている家庭が多く、これが独特の風味をもたらします。阿武隈の味噌が手に入ったら、ぜひお試しください。 |
■材料(8人分)
大根0.5本、ニンジン2本、コンニャク2枚、里芋8個、ネギ4本、味噌400g、だし汁8カップ、サラダ油・料理酒は適量 |
■調理法
@里芋の皮をむいて水洗いする。そのとき塩をまぶすと、ぬめりが取れる。食べやすいように1/2〜1/3に切る(塩を使わず下茹でする方法もある)。
Aゴボウをささがきにして、水にさらして灰汁を取る。
Bコンニャクを一口サイズに切って下茹でする。
C大根とニンジンは皮をむいてイチョウ切りにする。
D以上の材料を鍋に入れ、サラダ油で炒める。そこにだし汁を入れて煮込む。
E野菜が軟らかくなったら味噌と料理酒で味付けする。
F輪切りにしたネギを入れて5分くらい煮たあと、豆腐を崩して入れると出来上がり。 |
【今回の素材】里芋・・・無駄なく使える野菜です(写真は夏に撮影) |
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【副産物】芋がら・・・1週間以上干すのが普通です
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【副産物−芋がら】
里芋の茎は昔から保存食として使われていました。まず収穫したら1,2日くらい天日で干します。そして皮をむきます。次に、日がよく当たる軒先などに吊して、カラカラになるまで乾燥させます。使うときは半日くらい水につけて戻します。細かく切り、味噌汁や豚汁に入れていただきます。 |
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