【第4回】
「ごせあげる」「
がおる」「らいさま」
福島のお国言葉は津軽弁のように難解なものではありませんが、それでも都会の人に首をひねられるものがたくさんあります。「ごせあげる」もその1つで、移住者でも意味を理解していない人がいるほど。これは「腹が立つ」という表現で、もともとは「ごせやく」からきています。語源はよくわかりませんが、五臓六腑が焼けるほど腹が立つというような表現でしょうか。地元ではよく使う言葉です。
「がおる」も都会の人にはわからない言葉の1つでしょう。これは「病気で倒れる」という意味です。おそらく「臥おる=横になっている」という表現に近いものと思われますが、地元では「がおっちまった=倒れてしまった」「がおってらんねえ=病気になんかなっていられない」といったフレーズをよく耳にします。
最後の「らいさま」は都会の人にも想像がつくでしょう。そう、雷のことです。ほかにも「ごろごろさま」という言い方があり、わかりやすい表現です。ちなみに、稲妻のことは「いなぴかり」と言います。また、雨のことを「お湿り」とも表現します。今年は猛暑が続いたので、「らいさま」や「いなぴかり」が身近なものになりました。
以上を踏まえて、会話してみましょう。
「あー、ごせあげたー!」
「どうしたんだあ、和夫」
「親方がよお、この炎天下に草刈りしろだと。がおっちまうどお」
「んだなあ。こらほどお天道様さ強ぐてはなあ。でも、ニュースで晩方にらいさまくるっていっでたから、お湿りあるべえ。でけえ雲出てっから間違いねえ」
でけえ雲だあ。晩方にお湿りくっどお!
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