この日も遠慮なくイワナの刺身をご馳走になった。池から魚をすくうときは、2本の網で追い込んでいく。もう慣れたものだが、網に入っていたのはビール瓶よりはるかに大きい50cmクラスのイワナだった! これを刺身にすると、1匹でも大皿で山盛りになる。厚めに切った身を3切れくらい一気に箸で持ち上げ、醤油に2秒ほどつけて浸みてきたところをスイッと口に運ぶ。コリッとした歯ごたえで、甘みがじわっと広がってくる。もちろん、魚の臭みはまったくない。いやー、こんなぜいたくな一品、東京の料亭だって絶対に出てこない。小ぶりのイワナは塩焼きにするという。都路の吉田水産で買うとイワナの稚魚が10kgで約2万円、餌代が約20kgで約3300円というから、手間だけでなく本当はお金もかかっているのだけれど。
春江さんは庭先で、今度はヤマメを焼き始めた。成魚を買ったものだが、「炭は自家製なんですよ。薪ストーブで灰になる前に取り出すんです。今年は組長の役がうちに回ってきたので、先日もスポーツ大会の反省会をここでやったんですけど、そのとき60匹焼きました」という。ほかにも黒豆、竹の子の煮物などいろいろご馳走になったが、とくに大葉で巻いた紫蘇おにぎりは絶品だった。 |
これがイワナの刺身。ダイコンも自家製で、最高のもてなし料理だ
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