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都路林産開発
〒963−4701
福島県田村市都路町古道字芹が沢63−7
TEL0247−75−3333 
FAX0247−75−2808



 

 

【第5回】熊本一介さん・美彌子さんご夫妻さんの「ビニールハウス」

---冬から春に大活躍する菜園用の温かな空間---

 


育苗にも威力を発揮するビニールハウス。熊本家では大活躍です
 

 鎌倉岳の麓にある熊本家の敷地には、3×2間のビニールハウスが建っている。親切に説明すると6坪=12畳で、ちょうど山本家の居間と同じ大きさだ。敷地は9反=2700坪なので、わずか450分の1の占有面積である。しかし、この道具が大きな威力を発揮する。
 ハウス内では地面が凍らないので、冬でも野菜を育てられる。ミズナやミブナ(京野菜の一種)などを栽培したが、この冬はほとんど青物を買わずに済んだというから立派! そして現在、ハウスの中には3坪弱の大きな木箱がある。その中に育苗トレーをびっしりと並べ、まわりをワラと落ち葉で囲って保温性を高めている。ワラはご近所の田んぼを手伝った報酬として、米とともにいただいたもの。ふわふわの落ち葉は、ハウスの地面にも絨毯のように敷きつめている。


種を植えたのが3月15日。約1カ月で苗を育てます
 

育てている苗は18種類。長茄子・賀茂茄子・千両2号(これも茄子の品種)、キュウリ、ミニトマト、高台寺(シシトウの一種)、完熟トマト、なつのこま(クッキング用トマト)、鷹の爪などである。
「市販の苗だとどこからきた作物なのか素性がよくわからないので、栽培しても面白くないんです。やっぱり最初からやりたい。種は『タキイ種苗』と『大和農園』のカタログを取り寄せて選んでいます。3年前にネズミにやられたときだけは、泣く泣く苗を買いましたけどね(笑)。ハウスは温かいからネズミにとっても居心地がいいみたいで、苗を食べるというよりいたずらしていたんでしょう」と一介さんは話す。
 ハウスでは何度も、カタカタカターという音が間欠的にする。何ですかと聞いたら、地面の青い装置を指さし「ネズミ除けです」という。ほほー、こういう製品があるとは知らなかった。音より震動を地面に伝える仕掛けで、効果は抜群。ネズミにとっては居心地の悪い場所になってしまった。


これがネズミ除け。船引の農業資材店で売っているそうです

 木箱の中とハウスの内部に、計2台の温度計も見える。1台3000円ちょっとする「最高最低温度計」という商品で、その日の最低温度と最高温度、つまり日較差が測定できる。来年は野外にも設置して、計3台にする予定とか。一介さんは毎日、育苗箱の最高温度と最低温度、ハウスの最高温度と最低温度をノートに記録。データを蓄積している。現役時代は石油会社の研究所に勤めていただけあって、実にまめである。
最高最低温度計とノートの記録。この情熱はすごいです!
ちなみに、3月22日は「39度・2度・41度・−7度」と出た。ハウスの中が−7度で育苗箱が2度というのはわかりやすいが、最高温度はハウス内(41度)よりも育苗室(39度)の方が低い。これは昼間に日焼けしないよう、育苗箱によしずを掛けているため。それ以外は保温性のいい中空フィルムで育苗箱を覆い、夕方の4時頃になったら冷気が入らないようフィルムを洗濯ばさみで止め、その上に布団を被せていく。その作業は優しさに満ちており、子どもを育てているような感じだ。


布団を掛けるのは夕方でも温かいうちに


自作の野菜貯蔵箱。外からコンパネ→発泡スチロール→籾殻で、ネギやダイコン、生姜などを保存します

 苗は4月末にポットに仮植し、5月末になったら畑に定植する予定。ハウスを出て畑も案内してもらったのだが、管理機で耕耘したばかりの黒々とした畑が4カ所にあり、面積は合計で1反弱とか。もっと広く見えるが、「ちゃんと測りました」というからさすがに几帳面である。以前はもっと勾配のきつい土地だったが、すぐ近くで舗装工事が行われ、その残土を盛土してもらった。畑の土は地下に潜ってしまったが、今後のことも考えて使いやすさを優先したという。幸い、近くの農家から牛糞やワラ、落ち葉を分けてもらえるので、堆肥は作りやすい。土作りはやり直しだ。畑のまわりにはリンゴやブルーベリーなどの果樹が植えられ、キノコもシイタケ、ナメコ、マイタケと3種類を栽培。家を建てて約10年だが、さすがに自給レベルが高い。

 ご夫妻は以前、神奈川県相模原市に住んでいた。畑を始めたのは美彌子さんが少し先で、「畑をやるグループがあって、要求があればいつでも返す条件で農家から直接借りていたんです。最大で1人30坪くらい借りていました」というから都会の菜園にしては広い。

一方、一介さんは石油業界でAランクに入るテニスプレイヤーだったが、あるとき腰を痛めてしまう。それがキッカケで社内の園芸部に入り、昼休みに8畳ほどの畑に通う日々が続く。職場は別々の共働きだが、そういう2人なので定年後は本格的に野菜作りをやろうと意見が一致。岩手や宮城などで土地探しを始めたが、広い土地が手に入りやすく、両方の郷里(夫は秋田・妻は埼玉)の中間地点、ということで阿武隈山系に落ち着いた。
美彌子さん手作りのフルーツケーキ。水俣から取り寄せた甘夏の皮が奥深い風味を出しています
「ほかにも理由があります。鎌倉岳の眺めがよかったし、起伏のある土地も面白いと思った。それと都路林産開発の吉田社長です。ガツガツしていないし、いい感じの人だなあと。もし彼と出会わなかったら、違う県に行っていたかもしれません」と一介さん(自然に出たコメントですよ、吉一さん。もう鎌倉岳に足を向けて寝られないね!)。
 山の眺めがよければ、それだけ気象条件は厳しくなる。標高も500m以上なので、この冬は雪かきに追われる日々が続いた。それでも鎌倉岳への愛着は増すばかりで、一介さんは5回、美彌子さんは3回くらい踏破している。
「山頂まで1時間くらいだから、誰でも登れます。山頂は実にいい眺めで、真下にわが家も見えるんです。林とか家を隠すものがないので、余計によく見える。石を蹴ったら、家まで飛んでいきそうな感じです」と一介さんは微笑む。
 筆者にとっては、いつも眺めるだけの鎌倉岳。初登頂の暁には、石を蹴るのは失礼だから、「こんやあたりのみにいっていいですか やまもと」と書いた紙飛行機でも熊本さんちへ飛ばしてみようかな。本当に届いたりして!
 

機械作業や堆肥運びなどは一介さん、草取りは美彌子さんの担当とか。2人とも真面目で温厚そのものです


※筆者より 「最初から飛ばしすぎたので、第6回から2カ月に1回くらいにします。今後ともご愛顧を 山本」

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